『セックスフレンド』




  #1 快楽の部屋


「今日の雅史、良かったよ」
 ベッドに腰掛け、美早希は言った。既にシャワーを浴び、今はバスタオルを巻いている。
「美早希もな、今日はいつもより激しかったよ」
 ベッドに寝ころんだまま、俺は答えた。
 俺たちは恋人……ではない。簡単に言えば『セックスフレンド』だ。二人ともお互いの名前と携帯のメールアドレス以外は知らない。ただ、したくなったときに連絡を取り合い、セックスするだけの関係だ。
 月に一、二回だろうか。こんな関係が、もう一年になろうとしている。
「次は……いつ会えるかな」
 何となく、尋ねた。
「あ……もうこういうの、やめようと思うんだ」
「え?」
 美早希の言葉に、俺は一瞬呆気にとられた。
「今さ、気になってる男がいてね。ちょっと本気なんだ。だから、もう会わない」
「そんな……」
「急にね、こんなこと言って、悪いと思ってる。でもさ、そういう約束だったじゃない?」
 確かに。
 この関係を始めたとき、俺達は決めごとをした。

 一.このことを誰にも話さない。
 二.名前以外のことは聞かない。
 三.いつこの関係が終わっても文句を言わない。

 この三つを、二人で決めたのだ。
「そう……だな」
「そうでしょ? だから、もう会わないわ」
「ああ……」
 美早希の言葉に、俺は力無い返事を返した。
「雅史も、早くいいオンナを見つけてさ。明日から頑張ってね。それじゃ」
 いつの間にか美早希は服を着替えていた。そして長い黒髪をなびかせ、早々に部屋を出ていく。
 部屋を出ていくのを見送るのはいつものことだ。しかし、もう美早希と会うことはない。
「そっか……」
 俺、美早希に惚れてたんだな……。
 唐突に気づいた。自分は、美早希のことが好きだったということを。
「くっ」
 慌てて服を着て、俺は部屋を飛び出した。フロントに一万円札を投げつけ、ホテルを飛び出す。
「美早希っ」
 叫んでも、美早希の姿はすでになかった。
「美早希ぃ……」
 それは俺が恋に気づき、そして恋に破れた瞬間だった。



  #2 Alone


 俺が美早希に出会ったのは、去年の夏だった。丁度彼女と別れて失意のどん底にいたとき、不意に美早希に声をかけられたのだ。
 俺は失恋の傷を癒すためだったのか、普段は乗らないはずの言葉に乗り、そして美早希と寝た。
 そのときは、これが恋になると気づくはずもなく。


 あれから俺は、何度か美早希にメールをした。
 もう一度会いたい。抱けなくてもいい、会って話がしたい。
 しかし、メールは返ってこなかった。おそらくは、メールアドレスを変更したのだろう。
「美早希……」
 仕事も満足に手につかなかった。上司に怒鳴られても、うわの空だった。
「もう一度……会いたい……」
 部屋のベッドでつぶやいたとき、不意に記憶がよみがえった。
「そうだ、定期……」
 一度だけ、美早希が定期入れを落としたことがある。確かその駅は……?
「よしっ」
 俺は不意に起きあがると、夜の街へと飛び出した。


 記憶にあった名前の駅は、サラリーマンよりも学生風の若者が目に付いた。駅前に大きな公園があるこの駅は学園都市の入り口の役目を持っており、名前も『学園前』だった。
 着いたのは午後九時を回っていた。俺は終電まで、駅の改札前で美早希を捜した。
「おそらく、この駅で降りた大学へ行ってるのだろう」
 俺はそう、あたりをつけた。確か定期は通学定期だったはずだ。となると、九月は大学が休みである可能性が高い。
「家側の駅も覚えていれば……」
 まったく自分の記憶力の無さがもどかしい。
「とりあえず……戻るか」
 俺はため息をつくと終電に乗り、帰途へ着いた。



  #3 もう一度キスしたかった


 あれから、俺は朝や夕方に駅へ行っては、しばしば美早希の姿を探した。
 仕事も文句を言われないように、テキパキとこなしていった。
 そして十月の半ば。いつものように夕方、あの駅で美早希の姿を探した。
「今日は、少し早く来られたな」
 そんなことを思いながら駅前の喫茶店に入る。窓際のいつもの席が空いていることを確認して座ると、ホットコーヒーを注文する。そして、窓の外をじっと眺めるのだ。
 コーヒーを飲みながら、時計を見る。
「そろそろ八時か」
 つぶやきながら窓の外に目を向けた、そのときだった。
「み……さき……?」
 通りを歩いてくるのは、確かに美早希だった。しかし彼女は、俺が知っている彼女よりも幾分幼く見えた。いつも流していた髪も、ポニーテールにしている。そしてなによりも、彼女は高校の制服を着ていたのだ。
「高校生……だったのか……」
 会うときの美早希は、いつも大人っぽい格好をしていた。だからまさか、彼女が高校生だとは思いもしなかった。
 一瞬呆気にとられたが、不意に立ち上がろうとした、そのとき、美早希の隣で男が並んで歩いているのに気づいた。
「あ……」
 見ると、男と美早希は、並んで楽しそうに歩いている。あんな笑顔の美早希を、俺は見たことがなかった。
「はあ……」
 俺はため息をつくと、イスに座り直した。今の美早希の前に出ていくことが、俺には出来なかった。
 今の美早希の笑顔を、壊したくなかった。
「くっ」
 コーヒーカップを口に運ぼうとするが、手が震えてうまく力が入らない。
 それでも何とかこぼさないようにコーヒーを飲み干す。
「あれが……美早希の……」
 そっか、そうだよな。
 そのために、関係をやめたんだもんな。
「お客様、どうかなさいましたか?」
「え?」
 不意に尋ねられ、自分が涙を流していたことに気づいた。恥ずかしさから、慌てて涙を手で拭う。
「コーヒーのお代わりは……」
「あ、お願いします」
 恐縮しながらウェイトレスにカップを差し出す。暖かいコーヒーが注がれる。
 もう、俺の入り込む余地はないんだな。
 ゆっくりと、コーヒーを飲む。
 ほのかな苦みが、何故か心に染みた。



  #4 WILD LIFE


 あれから、俺はまた無気力な生活に戻った。
 仕事も適当、生活も適当。
 そして、思うことは美早希のことばかり。
「諦めた……つもりなんだがな……」
 部屋のベッドに寝ころび、つぶやく。今日みたいな休日は、一日中ぼんやりと美早希のことを考えていたりする。
 結局、自分は美早希のことを諦め切れてないのだ。
 自分からは何も言ってないのだから。
「ああもう、コーヒーでも飲みに行くか」
 俺はもやもやした気分を振り払うように起きあがった。


「いらっしゃいませ。あら? お久しぶりですね」
 久しぶりに入った学園駅前の喫茶店『IN THE LIFE』では、いつものウェイトレスが迎えてくれた。ずっと通っているうちに、ここのコーヒーがすっかり気に入っていたのだ。家からはあまり近くはないが、休日ならば車で来られる場所であった。
「ああ、いろいろあってね。えと、ホットを」
「かしこまりました」
 ウェイトレスの声を聞きながら、俺はいつも座っていた席を探す。しかし、今日はそこには先客がいたようだった。
(あれは……確か……)
 いつもの場所に座っているのは、制服姿の男女。男の顔には見覚えがあった。おそらく十人中九人までが『カッコイイ』と思うほどの美形。
「なあ、仁科。話って、なに?」
 男は、向かいの女に向かって口を開いた。
「将くん……私の他に、つきあってる娘、いるんでしょ?」
 ドクン。
 女の声を聞いた瞬間、心臓が跳ねた。
(美早希……)
 声が出そうになるのを堪える。間違いない。この声は美早希だ。髪が短いから、わからなかった。
「なんだ、そんな話か」
 将と呼ばれた男は、何でそんなことで? というような素振りで答える。
「だってよ、オレに惚れてるオンナって、たくさんいるんだぜ? その中から一人を選ぶなんて、そんなことオレにはできないね」
 将は、さも当然といった素振りで答える。
「そんな……私、将くんが『短い方がいい』っていうから……髪も切ったのに」
 美早希の声は、震えていた。涙を堪えている。そんな声。
「ああ、オレの周りはなんだかロングの娘が多かったからな、短いのも一人欲しいなって、そう思ってさ」
「ひどいわっ」
「何故? オレは『他に女がいない』なんて一言も言ってないし、『髪を切れ』とも言ってないぜ」
「私、私……こんなに将くんのことが好きなのに」
「俺も、美早希のことは好きさ。ただ俺は、他の子も好きなだけだ」
 平然とした表情で、将は続ける。
「俺はね、お前みたいにしつこいヤツは好きじゃないんだ。お前がこんなヤツだとは知らなかったよ」
「……ひどいっ」
 美早希は不意に立ち上がると、喫茶店を飛び出していった。
「あーあ、時々ああいうのがいるんだよな。まったく、誰がここの金払うと思ってんだ」
 その言葉に、堪忍袋の緒が切れた。
「……俺が払ってやるよ」
 将の前に立ちはだかる。
「誰だオマエ?」
「美早希を泣かしやがったな」
 俺は将の胸ぐらを掴むと、将の左頬を殴りつけた。
「テ、テメェ……」
「ほら、コーヒー代だ」
 俺はテーブルに一万円札を叩きつけると、美早希を追いかけて喫茶店を飛び出した。



  #5 Crazy Rendezvous


 俺は喫茶店を飛び出すと、美早希の姿を探す。休日で人が少ないこともあり、遠くに姿を見つけた。
「美早希っ」
 叫びつつ追いかける。しかし、美早希は気づいてないようだ。
「美早希っ」
 近づいたところで、もう一度叫んだ。
 美早希が一瞬、こっちを振り向く。
「美早希!」
 向いたところで、三度叫んだ。
「雅……史?」
 美早希は立ち止まると、驚いたような顔で俺を見た。確かに、ここに俺がいるなんて思いもしなかっただろう。
「よ、ようやく追いついた……」
 ろくに運動もしていない体でいきなりダッシュするのは自殺行為だ。俺は美早希に追いついたところで、肩を落として激しく呼吸をする。
「なんで、こんなところにいるの?」
 美早希の疑問はもっともだが、俺には今答える余裕がない。
「ちょ、ちょっと……待って……」
 何とかそれだけを言うと、再び肩で息を始めた。


「そっか……あれ……見てたんだ」
 近くの公園のベンチで、並んで缶ジュースを飲む。一気に飲み干す俺の隣で、美早希が言った。
「ああ、偶然な。あそこのコーヒー、好きなんだ」
 もう行けないかもしれないが、と俺は苦笑して付け加える。
「美早希といた男……アイツを殴りつけちまったからな。あ、美早希には悪いことしちまったかな?」
「ううん……別に、大丈夫だよ」
 答えながらも、美早希はうつむく。
 本気で好きになった男に対しては、そんな簡単に愛情が変わる訳じゃないんだよな。
 そんな話を、誰かに聞いた気がする。
「そだ、今暇?」
「あ、うん……シタイの?」
「違うよ」
 美早希の言葉に、俺は苦笑を返す。まあ、ずっと『そういう関係』だったから、そう思うのも仕方ないのだが。
「今日、車で来てんだ。気晴らしにドライブでも行かないか?」


「さーて、どこ行こうかね。やっぱ海がいいかな?」
 渋った美早希を半ば強引に乗せた俺は、明るい声で美早希に尋ねる。
「任せるわ」
「了解」
 俺はとりあえず、海に進路を取った。
「なんで……私を?」
「うん?」
 質問の意味が理解できず、俺は疑問符をそのまま返す。
「私たち、寝るだけの関係だったじゃない。なのに、どうして?」
「惚れたから」
「え?」
「美早希を、好きになっちまったんだ。俺」
 俺は一瞬だけ美早希の方を向いて、言った。
 驚いた表情で俺を見る美早希の姿が、バックミラーに写った。
「雅史……」
「バカだろ? 美早希のこと、何にも知らないのにな。でも、しょうがないんだ。この想いは、止められない」
「でも……私……」
「好きな奴がいる。だろ? わかってる。でも、そんなことはどうでもいいんだ。俺は、オマエが好きだ。……まあ、高校生だって知ったときは、ちょっと焦ったけどな」
 俺は苦笑する。一気に話したことに対する照れ隠しだ。
「……やっぱ、知らなかったんだ」
「ん?」
「私が、高校生だってこと」
 美早希の言葉に、俺は苦笑する。
「まあな。だって格好も仕草も、みんな大人っぽかったからな。二十歳くらいかと、思ってたよ」
「あれは……お姉ちゃんの服を借りてたの」
「あ、それでね」
 そういえば服と下着がアンバランスだな、と思ったことがあったっけ、と思い出す。あれは、そういう理由だったのか。
「さすがに下着は、借りられないだろうしな」
「え?」
「あ、いや、何でもない」
「そんなに……変だった?」
「ん?」
「下着……」
 美早希が、恥ずかしそうに尋ねる。
「あ、いや、服が強烈な個性を出しているわりには、ブラが白とか、割と……なんつーの、清楚っぽいやつだったりしたじゃない? だからさ」
「ふうん、そういうとこまで見てたんだ」
「な、俺も忘れてたよ」
「何ソレ、変なの」
 美早希はクスッ、と笑う。
「やっと、笑ってくれたな」
「え?」
「いや、ずっと暗い顔してたからさ。どっかで笑わそうと思ってたんだけど……まさか、ここで笑うとはね」
 俺も笑う。
 車はまもなく、湾岸線に入ろうとしていた。



  #6 TONIGHT


 俺達は横浜に来ていた。公園で海を見て、中華街で夕食を食べた。
 辺りがすっかり夜に染まったころ、二人は横浜を出た。
「なんか、恋人みたいじゃない?」
 ふと、美早希が言った。
「え? 違うの?」
 俺は軽口を叩く。しかしその言葉に、美早希は黙り込んでしまった。
「あ、ゴメン。いや、いいんだ。とりあえず俺、美早希にもう一度会って、想いを伝えたかっただけだから。それに加えてデートまでしたんだ。これは出来としたら上々じゃないか?」
「そうやって……ごまかすの?」
「ん?」
「そうやって自分の心をごまかすの? って言ってんの。自分に嘘ついて、私に嘘ついて。そうやって大人ぶってみるの?」
 美早希が激しい口調で言った。
「そっか、そういう見方もあるのか……」
 俺は気圧されながらも、言葉を返す。
「でも、俺は大人なんだ。どれだけ傷ついても、仕事には行かなきゃならない。だから、なるべく傷つかない方法をとってしまう。……なんてね」
 俺は苦笑する。
「んなこと言っても、俺もまだ二十三だしな。もっとガキでもいいかな」
「え? 雅史……二十三歳なの?」
「あれ? 言ってなかった?」
「……二十七、八かと思ってた……」
「そりゃひどいな、じゃあ美早希は、俺と十違うと思ってたのか?」
「うん……ごめんなさい」
 美早希がひどく恐縮した顔つきで謝る。
「いいって、俺も勘違いしてたし。……やっぱ、知らないことだらけだな、俺たち」
「そう……だね」
 しばらくの沈黙。
 車は渋滞に捕まることもなく、環状線に入る。
「なあ……」
「ん?」
「やっぱ、俺とつき合ってくれないかな」
「え?」
「すぐに俺のことを好きになってくれなんてことは言わない。でも、俺にもっと自分をアピールするチャンスをくれないかな……その……セックス以外で」
「何ソレ? あははっ……そうね。私も雅史のこと、何にも知らないからね。セックス以外は」
 アハハハ、と美早希が笑う。
「何だよ? 俺そんなに変なこと言ったか?」
「ううん、そんなこと無いよ。ただ、おかしかっただけ」
 まだ美早希は笑いが止まらないようだ。お腹を押さえて笑いを堪えようとしている。
「……で? どうだ?」
「ん? 何が?」
「……返答」
「ん、ああ、いいわよ。でも……」
 美早希はそこまで言った後で、躊躇する。
「何だよ?」
「ちゃんとアピールしないと、あたしは落ちないわよ?」
「へいへい」
 俺はそう言いながら、アクセルを踏み込む。
 グッ、という加速。
「イヤッホー」
 俺は大声で叫び、かっ飛ばす。
「ちょっとちょっと。何してんのよ!」
「ん? 喜びの表現だよ」
 言いながら更にアクセルを踏む。
 同時に車線変更。追い越し車線の車を走行車線側から一気に抜き去る。
「嫌ーっ、やめてーっ」
 美早希の悲鳴。しかし俺は、今だけは関係無いとばかりに飛ばしていく。
 夜の街を、高速で車が抜けていった。



  #6 Wonderful Opportunity


 カラン。
 喫茶店『IN THE LIFE』の扉が開いた。
「ごめん、待った?」
 美早希は入るなり俺のいるテーブルまで来ると、まず謝った。
「いや、そんなに」
 俺は平然と答えるが、コーヒーは二杯目だ。
「じゃ、いこっか」
「おう」
 俺は会計を済ますと、美早希とともに喫茶店を出た。
「大学はどうだ?」
「うん、まあまあ、かな」
 美早希はこの春、大学に進学した。とは言ってもエスカレータ式に進学したので、たいした苦労は無かったらしい。
 あれから半年。俺達はあの後も、順調に付き合っている。一応俺のアピールは美早希に届いたらしい。俺としては絶好のチャンスをうまくものにした、ということになるのだろう。
 今日は動物園に行くことになっていた。美早希が動物好きなこと、特にパンダが好きで、月に一度は見に行っているなんてことを、俺は付き合い始めてから知った。
 まだまだ、知らない美早希がいるんだな。
 そんなことを思う。
「そうそう、今日ね、帰りに、寄って欲しいところがあるの」
 ホームで電車を待っている間に、美早希が言った。
「ん? どこ? 俺はかまわないけど」
「えっとね、私の家」
「……は?」
 俺は開いた口がふさがらない、といった感じで驚く。
「両親がうるさくてね。どんな男だって」
「お前……いつから俺のことを親に?」
「んー、けっこう前」
「あのな……そういうのは前もって言っておくべきじゃないか?」
「大丈夫、付き合う前の話はしてないから」
「あたり前だっ」
「まあまあ、そんなに熱くならないでよ」
 ポンポン、と美早希は俺の背中を叩く。楽しそうな笑顔で。
「ちぇっ、だったらもっとまともな格好してくりゃ良かったな」
「いいんじゃない? 最初に着飾った自分見せると、後が大変だよ?」
「それもそうだな。んじゃ、気合入れていきますか」
「うん」
 俺達は丁度来た電車に乗る。
「これからも大変かもしれないが、そんなこと問題じゃない気がするな」
「なによいきなり」
「いや、美早希といられるのなら、問題も問題にならないな、と思ってさ」
 俺は美早希をすっと抱き寄せる。美早希は俺の腰に手をまわして微笑む。
 周囲の視線も気にせず、俺達はそっと抱き合った。


 おわり







 君が望む後書き

 ちょっと掘り返しシリーズです。昔書いたネタをちょっとケズリ&修正してみました。
 本当は冒頭にエロシーンがあったのですが、これだけ18禁にするのがめんどいのでカットしました。
 ……嘘です。恥ずかしいくらいへたくそなのでカットです(苦笑)
 わかる人にはわかりますが、章タイトルにB’zの曲を採用してるのが珍しいですね。と。
 ま、こんなお話でも感想くれたら嬉しいぞ、と。

 2002.09.18 ちゃある。


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